「退職したいけど、どんな理由を伝えればいいの?」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
本記事では、多くの人がどのような理由で退職しているのか、どのように退職したいのを伝えているのか紹介します。
また「職場が退職させてくれない」「失業手当がもらえなくて生活が苦しい」といったトラブルに遭わないよう、退職理由についての注意点も押さえましょう。
動画も用いてよりわかりやすく解説しているので、ぜひご確認ください。
Contents
退職する理由で多いもの5選
退職する理由で多いものは、次の5つです。
それぞれ詳しく解説します。
職場の人間関係
人間関係のトラブルは、退職を考える大きな原因の一つです。
上司や同僚との関係がうまくいかないと仕事でストレスが溜まるだけでなく、業務上の相談などもできません。
しかし退職時にこの理由をストレートに伝えると、心象を悪くするだけでなく「他部署へ異動して続けてほしい」などと引き止められる可能性もあります。
引き留めを回避し円満に退職するためには、なるべく前向きな伝え方が大切です。
そのため「今のチームでは一体感を感じづらいため、新しい環境を経験したい」など、不満だけでなくどう行動するのかなど意志を伝えましょう。
給与の安さ
職場の給与も退職を考える理由として多いです。
しかし「給料が安いから辞めたい」と直接的に伝えるのは難しいでしょう。
上司に伝える際は「キャリアアップしたいから」「自分のスキルを活かせる環境で挑戦したいから」など、仕事に対する向上心を伝えるのがおすすめです。
労働条件への不満
長時間労働や休日出勤など、労働条件が厳しい「ブラック企業問題」も退職の理由として多いです。
もし退職理由が労働条件への不満なら「ワークライフバランスを重視したい」という点を強調し、自身の生活や健康を大切にしたい意志を伝えてみてください。
昨今では「働き方改革」も推進されているため、会社からの理解も得やすいでしょう。
ただし会社に貢献する実績を多く残せていた場合は、「実力主義の評価制度がある会社で働きたい」とストレートに伝えてみても良いでしょう。
現職への意欲低下
仕事への意欲低下も、退職を考える原因になります。
新しい挑戦や成長の機会を求めて転職を考えるのはネガティブな内容ではないため、理解のある企業なら背中を押してくれるはずです。
伝える際はそのまま「新しい環境で勝負したい」「どこまでできるか挑戦したい」など、熱意を素直に伝えるといいでしょう。
家庭の事情
家庭の事情、特に子育てや介護といった理由での退職を考える方も少なくありません。
上記の理由を伝える際は、具体的に何が原因であるかを伝えると共感を得やすいでしょう。
「親の介護で実家に戻ることにしたい」など、会社に通えない理由をはっきりと伝えてみてください。
円満退職のための理由の伝え方3選
退職理由の伝え方1つで、心証を悪くするか円満退職できるかが決まります。
円満退職のためにも次の3つの伝え方を覚えておきましょう。
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それぞれ詳しく解説します。
引き止められない理由を伝える
退職を伝える際、上司や同僚から引き止められるケースは少なくありません。
そのため伝える理由は明確かつ具体的にし、引き止められる余地がないようにすることが重要です。
たとえば下記のような理由を伝えてみましょう。
- 家族の健康状態が良くない
- 子育て・介護に専念する
- 新しいキャリアの道に進みたい
「引き止めると悪役になってしまう」と相手に感じさせられるように伝えてみてください。
不満や恨みを伝えない
不満や恨みなど感情的な理由での退職は、転職後の人間関係や評価に影響を与える可能性があります。
特に小さな業界や業種では退職理由が伝わりやすく、今後のキャリアに影響を及ぼす可能性が考えられるでしょう。
また社内に対する不満が理由だと「改善するから残ってほしい」と言われた場合に断りづらくなってしまいます。
「辞めたい」と考える瞬間はネガティブな思いが多いと思いますが、今後の自分のためにも冷静かつ客観的な視点から理由を伝えるよう心掛けてください。
今までの感謝を述べる
退職を伝える際、今までの感謝の気持ちを伝えるのがもっとも円満退職に近づけるでしょう。
入社した経緯や実際の労働環境は人によって異なりますが、少なからず得られたものや仲の良かった人がいるはずです。
具体的な経験や学び、お世話になった人を挙げて感謝の気持ちを伝えれば、良好な人間関係を保ったまま退職できます。
円満退職で避けたいNG理由の例
言ってしまうと円満退職できない退職理由もいくつかあります。
ここでは避けるべきNG理由として3つご紹介します。
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それぞれ詳しく解説していきます。
生理的に合わない人がいる
「生理的に合わない人がいる」という理由は、主観的すぎるため退職理由としては適切ではありません。
「本人に問題があるのでは」と思われてしまい、円満に退職できない可能性がある
「キャリアアップしたい」「ほかの仕事にチャレンジしたい」など、前向きな理由に言い換えて伝えましょう。
誰でもできる仕事をしたくない
「誰でもできる仕事をしたくない」という理由も、適切ではないでしょう。
多くの場合役職が上がらないと専門的な仕事はできませんし、受け取り方によってはただの言い訳にも聞こえてしまいます。
そのため伝える際には「次のステージにレベルアップしたい」など、今を下げるのではく次に希望を持つ伝え方がいいでしょう。
会社に将来性がない
「会社に将来性がない」というのも、そのまま伝えてしまうとそこで働いている全ての社員に対して心象が悪いです。
たとえ業績不振で本当に将来性がなかったとしても、ストレートに伝えるのはおすすめしません。
そのため「より自分のスキルを活かせる職場に就きたい」など、自分の目標に合わせて転職したいという意向を伝えるのがいいでしょう。
退職理由を伝えて実際に辞めるまでの流れ
ここでは実際に退職理由を伝えてから、辞めるまでの流れを詳しく解説していきます。
退職手続きは動画でも解説しているので、あわせてご覧いただくと理解が深まるでしょう。
①退職の意思表示
退職を決意したら、まず上司や人事部門に退職の意思を伝える必要があります。
この際、退職する理由を明確に伝え、円満に退職するための意向も示すことが重要です。
また退職の意思を伝えるタイミングも、可能なら繁忙期以外やせめて上司が仕事に追われていないときを狙いましょう。
ただし民法627条には「退職を申し入れたら2週間後には退職できる」という内容の記載があります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法
民法は会社の規則よりも優先されるので、とにかく早く辞めたい場合は退職届に日付を書いて提出しましょう。
退職の意思表示から退職までの期間は会社規則で決められている場合が多いので、まずはそちらを確認して見てください。
②有給休暇の消化
残っている有給休暇はできるだけ消化するのが望ましいでしょう。
労働基準法39条で「労働者は好きな時期に有給休暇を取れる」と定められており、退職までの期間も例外ではありません。
「使用者は、前各項の規定による有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならない。」
引用:労働基準法
ただし自分の都合だけで休んでしまうと、引継ぎに支障が出てしまい円満退社できません。
円満退社のためには、引き継ぎのスケジュールを確保しつつ有給休暇を取るのが重要です。
上司と相談して、円滑な引き継ぎができて有給休暇も消化できる退職日を設定しましょう。
③退職手続き
退職の意思を伝えて退職日が確定した後は、実際の退職手続きに入ります。
退職届の提出・社内の手続き・社会保険や雇用保険の手続きなど、多くの手続きが必要となるため1つずつ確認していきながら進めましょう。
また退職手続きでは会社へ提出・返却する書類の他に、退職日に会社から受け取らなくてはいけないものもあります。
下記の動画でも解説しているとおり「雇用保険被保険者証」と「源泉徴収票」の2つです。
- 雇用保険被保険者証
▶転職先へ初出勤するときに提出が必要 - 源泉徴収票
▶転職先での年末調整や確定申告で必要
上記書類の受け取りを忘れていると、後日会社への連絡や再発行手続きが必要になるので必ず確認しましょう。
退職理由についての3つの注意点
退職理由について3つの注意点を挙げておきます。
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「円満退社するための理由」とは別で、失業保険を受け取るときや万が一のトラブル時に重要な内容なのできちんと確認しておきましょう。
自己都合か会社都合かを合わせておく
退職の際、退職理由が「自己都合」か「会社都合」かを明確にするのは非常に重要です。
下記動画でも解説していますが、実は退職理由によって失業保険の受給期間や退職金の計算方法などが変わります。
会社都合の場合90〜330日間もらえる失業保険ですが、自己都合の場合90〜150日間まで減らされます。
たとえば手取り20万円だった場合には月々約15万円もらえるため、最大で100万円以上も損をしてしまう可能性があるので退職理由は非常に重要です。
動画でも解説していますが、最終的な判断はハローワークが行います。
退職後に届く離職票に記載された退職理由が認識と異なっていた場合は、ハローワークに意義申し立てを行いましょう。
会社が退職に応じない場合の対処法を知っておく
一度退職の意志を伝えたにも関わらず、会社が受け入れてくれない場合もあるでしょう。
会社が退職に応じない場合は、民法627条を理解しておき適切な対処法を取ることが大切です。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用:民法
動画でも解説していますが、退職申し入れ後2週間が経過した場合法律上勝手に辞めても問題ありません。
もしトラブル等で退職時に損害賠償を請求されそうになったら、違法行為としてこちらが訴えることも可能です。
まったく退職の手続きが進行しないときは、労働基準監督署への相談も検討しましょう。
同業他社への転職のルールを確認しておく
退職後に同業他社への転職を考えている場合、競業避止義務や秘密保持義務などの契約が結ばれていないかを確認しておきましょう。
動画でも解説していますがこれらの義務に違反すると、損害賠償請求などをされるリスクがあります。
しかし「競業避止義務」や「秘密保持義務」は、競合他社へノウハウを流出した場合に適用される法律です。
憲法で職業選択の自由が定められているため、会社で禁止されていても転職して問題はありません。
何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。
引用:衆議院「日本国憲法」
ただし退職した会社に損害を与えない立ち回りに注意しましょう。
これらの知識をきちんとつけておくことで、転職時に不利な状況にならず適切な職業選択が行えるでしょう。
退職理由についてよくある質問
最後に退職理由についてよくある質問に回答していきます。
- 最強の退職理由は?
- 嘘でも使えるおすすめの退職理由は?
- 退職理由で「一身上の都合」ってどういうケースなの?
- 退職届・退職願の退職理由の書き方・例文は?
- 「体調不良」や「しんどい」は退職理由としてNG?
- 退職理由の詳細を言わないと何か不利になる?
- 試用期間中の退職理由は「仕事が合わない」でOK?
- 転職活動の履歴書で退職理由はどう書けばいい?
- 転職活動の面接で退職理由はどう言えばいい?
- 転職先が決まってから退職する場合の理由の伝え方は?
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これらの疑問を解決して、スムーズに退職しましょう。
最強の退職理由は?
最強の退職理由は、下記のような「引き止めることができない理由」です。
- 配偶者の転勤で引越す
- 身内の介護
- 慢性的な体調不良
- 結婚や子育て
社内への不満では、改善策を取られて引き止められる可能性があります。
しかし会社としてどうすることもできない退職理由は、そもそも引き止められないため、最強の退職理由として使えるでしょう。
嘘でも使えるおすすめの退職理由は?
嘘でも使えるおすすめの退職理由は下記です。
- 家庭の事情
- 健康上の理由
- 一身上の都合
これらの内容は深く聞かれることがなく、また健康上の理由も医師の診断が必要になるケースもほとんどありません。
会社への不満だらけで辞めたい場合でも、上記のような嘘の理由で退職することで円満かつスムーズに退社できるでしょう。
退職理由で「一身上の都合」ってどういうケースなの?
「一身上の都合」とは、個人的な理由での退職を指します。
退職理由で「一身上の都合」を使うのは、一般的に具体的な理由を伝えたくない場合や理由が複雑で説明できない場合です。
例えば親の介護や家業を継ぐ、結婚や子育てなどのケースも含まれます。
ただし最初から「一身上の都合」とだけ伝えると、理由を詳しく聞かれる可能性があるため注意しましょう。
退職届・退職願の退職理由の書き方・例文は?
下記が退職願と退職届の例文です。
年 月 日
〇〇株式会社
代表取締役 〇〇〇様
住所:〇〇〇〇〇〇
氏名:〇〇〇
拝啓、貴社の発展とご繁栄を心よりお祈り申し上げます。平素より格別のご厚情を賜り、心より感謝しております。
私事で恐縮ですが、〇〇年〇〇月〇〇日をもって、〇〇株式会社を退職させていただきたく、ここに願い出ます。長らくの間、多くの経験と学びを得ることができましたこと、深く感謝しております。
退職に至る経緯や理由は、私の将来のキャリアプランや一身上の都合によるものです。残された期間、業務を全力で遂行し、後任者への引き継ぎも適切に行いたいと考えております。
長い間のご支援、ご指導に心より感謝申し上げますとともに、今後とも益々のご発展をお祈り申し上げます。
敬具
年 月 日
〇〇株式会社
〇〇 様
〇〇〇(氏名)
拝啓、時下ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、私事ながら、一身上の都合により〇〇年〇〇月〇〇日をもちまして、〇〇株式会社を退職させていただくこととなりました。長い間のご指導、ご鞭撻、誠にありがとうございました。
退職までの間、引き続き業務に努めさせていただきます。また、後任者への引き継ぎ等もスムーズに行えるよう努力いたしますので、何卒ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
敬具
なお退職届や退職願いは、白い便箋・封筒に黒いボールペンで書くのが一般的です。
退職届や退職願は会社によってフォーマットが決まっている場合もあるので、先に確認しておきましょう。
「体調不良」や「しんどい」は退職理由としてNG?
「体調不良」は一般的に受け入れられる理由ですが、「しんどい」という表現は抽象的で退職理由としては適切ではありません。
そのため、より具体的な理由を退職理由とするのが望ましいです。
もし「体調不良でしんどい」や「持病でしんどい」などの原因がある場合は、しんどくなった原因のほうを理由として挙げるのがおすすめです。
退職理由の詳細を言わないと何か不利になる?
退職理由の詳細を伝えないと、心象を悪くしたり上司との面談時にしつこく聞かれたりする可能性があります。
特に面談時に具体的な理由を問われやすいため、聞かれた場合の対策をしっかりと準備しておくのが大切です。
ネガティブな退職理由を伝えづらい場合は、記事内「円満退職のための理由の伝え方3選」を参考にしてみてください。
試用期間中の退職理由は「仕事が合わない」でOK?
試用期間中は「仕事が合わない」という理由での退職も問題ありません。
社風や具体的な職場環境は実際に働いてみないとわからないため、退職理由としては真っ当です。
上司に伝える際は「入社前に自分がイメージしていたものとギャップがあり、どうしても自分には合わないと感じてしまいました。」と伝えましょう。
転職活動の履歴書で退職理由はどう書けばいい?
履歴書には「一身上の都合により退職」など、簡潔な退職理由を書くだけで問題ありません。
一方「キャリアアップのため」「挑戦するため」などポジティブな退職理由であれば、アピールするためにそのまま書くのもおすすめです。
「自己都合だけど会社都合と偽った」など、実際と異なる退職理由を記入した場合経歴詐称にあたる可能性があります。
転職活動の面接で退職理由はどう言えばいい?
転職活動の面接では、自身のキャリアや将来の展望に絡めて、ポジティブな面を強調しながら退職理由を説明すると良いでしょう。
面接官が退職理由を聞く理由は「次の会社でもすぐに辞めないか」を見極めるためです。
例えば「人間関係」が理由だったとしても、「私の目指す方向性と当時の環境にギャップを感じてしまった」などと言い換えるのをおすすめします。
転職先が決まってから退職する場合の理由の伝え方は?
転職先が決まってから退職を伝える場合でも、特に退職理由の伝え方を変える必要はありません。
しかし転職先へスムーズに移れるように、以下の点には注意しておきましょう。
- 実際に退職するには一定の期間が必要
- 転職先を伝える必要はないが決まったことは伝える
- 曖昧な伝え方は避ける
体調不良の場合を除き、民法で「退職までは2週間かかる」と定められているので退職届を出した日に退職できるわけではありません。
そのため転職先での初出勤日は、どんなに早くても15日後にしてください。
また具体的な転職先を伝える必要はありませんが、転職先が決まったことははっきり伝えておくといいでしょう。
適切な理由を告げて円満退職をしよう
退職するのは労働者としての当然の権利です。
できればはっきりと前向きな理由を伝えて、円満退職できるよう努めてみましょう。
ただし退職するからといって一方的に不満をぶつけるのではなく、自分のキャリアのためにも穏便に済ませるのが得策です。
本記事で紹介したYouTubeチャンネルでは、他にも退職時に必要なノウハウを随時発信し続けています。
またTikTokアカウントでも転職情報を詳しく発信しています。
併せて確認しておくことで、スームズに退職できるはずです。