人生100年時代の社会人基礎力とは?定義や効果的な伸ばし方を徹底解説!
社会人基礎力とは、2006年に経済産業省が提唱した「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」のことをいいます。
社会人基礎力はその重要性を増しており、現代においても有効ですが、「人生100年時代」ならではの切り口・視点が必要となっていました。
こうした状況を踏まえ、平成29年度に開催した「我が国産業における人材力強化に向けた研究会」において、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力が「人生100年時代の社会人基礎力」として新たに定義されました。
今回は、人生100年時代の新たな「社会人基礎力」について解説していきます。
社会人基礎力とは?
社会人基礎力とは、職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力を「社会人基礎力(=3つの能力・12の能力要素)」として定義されています。
①前に踏み出す力(アクション)
・主体性:物事に進んで取り組む力
・働きかけ力:他人に働きかけ巻き込む力
・実行力:目的を設定し確実に行動する力
②考え抜く力(シンキング)
・課題発見力:現状を分析し目的や課題を明らかにする力
・計画力:課題の解決に向けたプロセスを明らかにし準備する力
・創造力:新しい価値を生み出す力
③チームで働く力(チームワーク)
・発信力:自分の意見をわかりやすく伝える力
・傾聴力:相手の意見を丁寧に聴く力
・柔軟性:意見の違いや立場の違いを理解する力
・情況把握力:自分と周囲の人々や物事との関係性を理解する力
・規律性:社会のルールや人との約束を守る力
・ストレスコントロール力:ストレスの発生源に対応する力
さらに、人生100年時代の社会人基礎力として、これまで以上に長くなる個人の企業・組織・社会との関わりの中で、ライフステージの各段階で活躍し続けるために求められる力と定義されます。
社会人基礎力の3つの能力/12の能力要素を内容としつつ、能力を発揮するにあたって、自己を認識してリフレクション(振り返り)しながら、目的、学び、統合のバランスを図ることが、自らキャリアを切りひらいていく上で必要となっていきます。
社会人基礎力の伸ばし方
社会人基礎力を効果的に伸ばすための3つのステップを紹介します。
①自分の能力・スキルを把握する
まずは、社会人基礎力の3つの能力・12の能力要素をもとに、自分ができている点、足りない点を洗い出し、不足しているスキルを把握することから始めましょう。
また、自分ではできていると思っても、周囲からの評価が異なる場合もあります。同僚や上司に客観的な意見をもらうこともおすすめです。
②能力・スキルを伸ばすための知識を身に着ける
自分に不足している能力が分かったら、次はその能力に関する知識を身に着けましょう。
・書籍を読む
・社内の研修制度を活用する
・無料で見られる講座動画で学習する
・外部機関の研修や講座を受講する
知らないことにはどう行動に移せば良いかも分かりません。まずは知るところからスタートしていきましょう。
③身に着けた知識を実践していく
覚えただけでは自分の力にはなりません。大切なのは、行動に反映することです。
前に踏み出す力(アクション)の実践
指示待ちにならず、一人称で物事を捉え、自ら行動できるようになることが求められます。
行動例
・プロジェクトの進行役を担う
・積極的にチームメンバーのフォローにまわる
・目的達成のための行動計画をたてて実行する 等
考え抜く力(シンキング)の実践
論理的に答えを導き出すだけでなく、自ら課題提起し、解決のためのシナリオを描く、自律的な思考力が求められます。
行動例
・現状を定量的なデータを用いて分析する
・課題解決のためのPDCAをまわして検証・分析を実施する
・自分なりの意見を持ち、それを発信する
チームで働く力(チームワーク)の実践
グループ内の協調性だけに留まらす、多様な人々との繋がりや協働を生み出す力が求められます。
行動例
・他部署、他チームとの交流を積極的に行う
・規則やルールに則って行動する
・チームメンバーの意見を取りまとめ、最適な答えを全員で考えるよう導く
組織によって、特に重要視される能力は異なります。ゼロからスタートするのではなく、上司や先輩、同僚など、理想的な行動ができている身近な人の真似をしてみることも効果的です。
まとめ
社会人基礎力は、学生や新社会人だけでなく、人生100年時代を生きるすべてのビジネスパーソンに必要な普遍的な能力です。
ベーシックであるからこそ、特定の業界や職種などしか使えないスキルではなく、どんな環境にも適応できる汎用性の高い能力です。
まだ足りていないと思うスキルがあれば、「何を学ぶか」「どのように学ぶか」「どう活躍するか」を考え、失敗を恐れずに一歩踏み出してみましょう。