中堅社員に必要な研修とは?求められるスキルや具体的な研修例を紹介!
30代を中心とした中堅社員は、自立したプレイヤーとして新人や後輩のロールモデルであるとともに、次世代リーダーとしての準備や成長が求められる層です。
最近では、イノベーションやDX推進などに向けて組織を引っ張れる新時代の次世代リーダーの必要性も高まっています。
こうした時代に活躍できる強いリーダーを育てるには、準備段階にいる中堅社員の研修やキャリア開発で、成長を加速させていく必要があります。
同時に、年齢的には結婚や子育てなどのライフステージの変化を迎えたり、待遇などの面で同期との差が明確になったりして、今後の人生設計やキャリアに関して悩む時期でもあります。
当記事では、まず、中堅社員に求められるスキルや能力、中堅社員が抱える悩みに改めてスポットを当てます。その上で、次世代リーダーを育成するためには何をすれば良いか、具体例を紹介していきます。
中堅社員に求められるもの

多くの企業が中堅社員に求める要素としては、以下のようなものが挙げられます。
①専門性の発揮
専門性の発揮とは、今までに身につけた専門性やスキルを活かし、会社や自分のチームの目標達成や成長に貢献することです。
自分が担当する業務やチームの中で専門性を発揮していくためには、タスク管理や時間管理、報連相といった土台となる基礎部分の徹底も必須です。
また、専門性の土台となる能力として、以下のようなスキルを向上させることも大切です。
・対人力(傾聴力/受容力/協調力/支援力 など)
・対課題力(試行力/変革力/分析力 など)
・対自分力(決断力/忍耐力/持続力/規律力 など)
②リーダーシップ
中堅社員と呼ばれる層になれば、自分よりも年下の若手や新人と一緒に仕事をする機会も格段に増えていきます。また、人によっては、管理職やマネージャーになっていることもあるでしょう。
自分よりも若い世代と仕事をするうえで大切になるのは、セルフリーダーシップやセルフマネジメント力に基づく、人間力やリーダーシップです。
加えて、個人でプレイングすることから、人を動かして、組織としての成果に対する貢献が求められるようになってくるのが中堅社員です。
③キャリアオーナーシップ
キャリアオーナーシップとは、自分のキャリアパスに責任を持ち、自己啓発や自発的な部署異動などを通じて自らキャリアを切り開いていくことです。
中堅社員ともなれば、ひとりのビジネスパーソンとして経験を積み、自分の得意不得意や向き不向きなども明確になってきます。
前述の専門性を発揮しつつ、得意なことや向いていることから「今後挑戦してみたい仕事」を見つけ、自発的な行動に繋げる姿勢も求められてきます。
中堅社員の悩み

若手社員と比べると求められる能力やスキルの幅が広がり、増える一方で、中堅社員が抱える悩みにも変化が起きやすい傾向にあります。
特に中堅社員が抱えやすい悩みとして、以下のようなものが挙げられます。
①裁量が増えたことによる責任の重さ
中堅社員は、プレイヤーとしては完全に自立しています。自分の判断で主体的な課題解決や計画立案・実行などがひと通りできるようになっているでしょう。
そして、プレイヤーとしてだけでなく、組織やチーム内で若手メンバーの指導・サポートを行なったり、人によっては管理職に就く機会もでてきます。
仕事の幅が広がり裁量が増えた分、当然責任も大きくなります。自分自身で決断し、後輩や部下を導く立場になったことにプレッシャーを感じる人も少なくありません。
リスクを考えて動くことは重要ですが、人によっては過度にネガティブな思考に陥り、保守的な判断しかできず業績に伸び悩むこともあります。
②キャリアに悩む
ひと通りの業務に携わったことで、自分の得意不得意や向き不向きが明確になってくるのが中堅社員です。また、自分の強み弱みも分かるようになり、それらに基づいて今後どのようなキャリアを築いていくか、悩む時期でもあります。
一方で、自身の傾向が分かってきたことで、食わず嫌いや限界を作ってしまうケースも多々あり、単にやりたくない・苦手なことから逃げているだけになってしまっていないかなど、注意する必要があります。
③ライフステージが変化する
中堅社員と呼ばれる層は30代が多く、結婚や妊娠、出産などのライフイベントによって生活面での変化も生じやすいです。
ワーク・ライフ・バランスを充実させるために、働き方やキャリアデザインの見直しを考える人も多くなってくるでしょう。
中堅社員向け研修の例

中堅社員が専門性やリーダーシップを発揮できていると、新人や若手も高いモチベーションで目標達成を目指せるようになります。
一方で、中堅社員がうまく育たず、求められる役割を担えなかった場合、若手育成にも課題が生じてくるでしょう。
新人などの若手から管理職までの全メンバーが同じベクトルで目標達成を目指すためにも、パイプ役となる中堅社員の成長は重要です。
中堅社員向けの具体的な研修例は以下のようなものが挙げられます。
①キャリア開発研修
キャリア開発研修は、中堅社員が自身のスキルやキャリアと向き合う機会となります。
中堅社員向けのキャリア開発研修では、自分の強みや過去の経験から管理職やスペシャリストといったキャリアの方向性を確定し、先述のようなキャリアプランやありたい姿の再設計をすることが大切です。
ただし、研修はその性質上「1対多の場」になります。そのため、研修後は、1on1のキャリア面談を通じて、それぞれのキャリアにおける悩みの解決や、組織・上司とのイメージを合わせる必要があります。
②コーチング研修
コーチングは、対話によるコミュニケーションによって信頼関係を築き、自己開示を促す手法です。以下の3ステップを通じて相手に自分の意思を認識させ、目標達成に向けた課題の発見や、手法を知り、自分の目指すべき姿になれるよう成長を促します。
(1)信頼関係を築く
(2)適切な質問をする
(3)相手の話を聴く
研修では、上記3つのステップで必要となる信頼関係の築き方や傾聴の方法などを身につけていきます。
③リーダーシップ研修
中堅社員が現場でリーダーシップを発揮するには、新人・若手や上司と円滑なコミュニケーションができるスキルや、両者から信頼され人を動かす「人間力」が必要となってきます。
人間力とは、社会を構成し運営するとともに、自立した一人の人間として力強く生きていくための総合的な力のことで、以下の3つの要素から成り立ちます。
・知的能力的要素(基礎学力、専門知識、論理的思考力 など)
・社会・対人関係力的要素(コミュニケーション力、規範意識、相互啓発力 など)
・自己制御的要素(意欲、忍耐力、自己実現力 など)
リーダーシップ研修では、これらの要素について理解を深め、日々の行動を省みることで自分に足りない要素を把握し、意識改革から実際の行動へと結び付けていきます。
まとめ

中堅社員には、以下3つのスキルや役割が求められます。
・専門性を発揮し続ける自立したプレイヤーになる
・新人や後輩を率いるリーダーシップ
・自身のキャリアに対するキャリアオーナーシップ
中堅社員は、結婚や子育て、また、同期との待遇差なども付いてくるなかで、キャリアを考えることも多い世代です。したがって、キャリア開発研修は押さえておくべき研修の一つになります。
中堅社員向けの研修を成功させるためには、プログラムのなかで以下の3つを実践できる仕組みを入れることが大切です。
・自己分析
・キャリアプランの設計
・定期的な振り返り
株式会社hitocolorが開発・提供する「kokoroe」では、テスト形式で個々人の持つ基礎知識や専門知識を確認でき、不足している要素を正確に把握することで的確に成長を促します。
興味がある方は下記HPより資料のダウンロードができますので、ぜひご確認ください。
https://www.hitocolor.co.jp/kokoroe