eラーニングとは何か?メリットやデメリット、サービスの種類などまとめて解説!

年々、導入する企業が増加傾向にあるe-ラーニング。オンラインで気軽に、そして効果的に学習できるとして、個人の学習に留まらず企業の研修などでも活用されています。

今回は、「e-ラーニングってよく聞くけどどんなもの?」「サービスはたくさんあるけどその違いは?」などについて解説していきます。

eラーニングとは

eラーニングとは、簡単にいえば、コンピュータとインターネットを利用した、双方向的なコミュニケーションが可能な学習方法です。
パソコンやタブレット、スマートフォンを使ってインターネットを利用して学ぶ学習形態のことで、主に学習管理システム(※ LMS:Learning Management System )を使用した学習を指します。

※LMSとは…
eラーニングを実施する際のベースとなるシステムで、ネットワーク上で教材を配信したり学習管理をするためのプラットフォームです。 多くのLMSは受講者がログインして学習する受講機能、教員や管理者が受講履歴や成績管理を行う管理機能からなります。

学校や塾の学習、組織の人材育成等で、特定の場所に集合し講師が直接受講者に講義をおこなう「リアルな教育」に対し、e-ラーニングの場合はパソコンや、スマートフォンなどのモバイル端末を用いて、業務の合間や通勤時間など、いつでもどこでも好きなときに学習することができます。

eラーニングの進化

スマートフォンやタブレットPC等のスマートデバイスの進化、インターネットのブロードバンド化によるネットの高速化、及び急速な普及をきっかけに「eラーニング」はここ数年急激に動画教材の利用が広がり、従来のような字を読むだけのテキスト学習だけでなく、作業手順やコツの習得を目的とした動作を伴う「実習型eラーニング」の提供が広がっています。これにより、従来は事務所や店舗内、社員研修施設などの特定の場所のみでしか実現できなかった現場での教育がとても実施しやすくなりました。

例えば、飲食店での接客・接遇、レジ操作、食材の盛り付け方、配膳、陳列方法、清掃方法など、現場で動作を見せながら教育する必要があった研修を、eラーニング上でも実習形式で伝えることが可能です。

さらに、AI(人工知能)を利用して大規模な学習データを分析して学習の効率を高めたり、顔認証技術を用いて本人でないとeラーニングを受けられないようにすることで、セキュリティを高め、資格試験や検定・資格講習などに用いられるようにもなっています。また、より現実に近い環境で実践的な学習ができるように、VR(仮想現実)技術を取り入れているものもあります。

eラーニングのメリット・デメリット

eラーニングを利用するメリットとは何でしょうか。
ここでは、動画配信による学習を例として、学習者と管理者、それぞれの視点からメリット・デメリットを挙げていきます。

eラーニングのメリット

▼学習者視点
・自宅や外出先など好きな場所で学習できる
・苦手箇所を繰り返し視聴するなど自分のペースで学習できる
・映像や音声で理解度をさらに深めることができる
・正誤判定・採点の自動化で結果が即座にわかる
・学習履歴や学習進捗が可視化されわかりやすい

eラーニングのメリットは、学習者の好きなペースで学習を進められることです。また、文字だけではなく映像や音声での解説があることで、より内容を理解しやすくなります。学習履歴や進捗も把握しやすく、モチベーションの維持もしやすいといえるでしょう。

▼管理者視点
・教材の修正、アップデートが常時可能
・最新の教材を全学習者に一斉配信できる
・授業品質の均一化を図れる
・すべての学習者の学習履歴を一括管理できる
・学習者一人ひとりに最適な教材・コースを提供できる
・導入以降のコストを削減できる

受講から学習状況まで、一括管理できるのは大きなメリットです。また、組織単位での学習だけでなく、個人別に適した内容での学習を提供することも可能です。

eラーニングのデメリット

▼学習者視点
・わからないところがあってもその場で質問ができない
・体験学習や実技がともなう学習には不向きである
・学習者間の交流が図りにくい
・インターネット環境とパソコン・スマホなどの端末が必要
・強制力がないので自主的に学習する意欲が求められる

特に動画配信型の学習では、疑問を抱いても即座に解消することは難しいです。また、グループワークではなく個人学習であることがほとんどのため、学習にある程度意欲的でないとモチベーションの維持が難しいというデメリットもあります。

▼管理者視点
・教材を作成する手間やコストがかかる
・教材配信や学習管理のためのシステム(LMS)が必要となる
・学習者のモチベーション維持が難しい

学習するための教材手配を自社で準備する場合には人的・時間的リソースが必要になりますし、外部に発注する場合にはコストが発生します。また、学習を習慣化させるのが難しく、学習者が途中離脱してしまうケースも少なくありません。

eラーニングで必要なもの

eラーニングを導入する上で必要なものを紹介していきます。

①学習管理システム(LMS:Learning Management System)

LMSとは、インターネット上でeラーニングを配信するためのプラットフォームです。学習環境を提供すると同時に、学習者と教材の登録・管理や受講管理といった重要な機能が搭載されています。

LMSを利用することで、「どの受講者にどのコースを受けさせるか」「学習者がどの教材を学習・完了したか」「成績はどうか」といったことなどを一括管理できるようになります。管理者側にとっては、一からシステムを構築する必要がなく、大規模な受講者や教材も統合的に管理できるという点で大変便利なシステムと言えるでしょう。

②学習教材

学習管理システムが準備できたら、次に必要となるのは学習教材です。
学習教材は様々ですが、昨今のeラーニングコンテンツで主流となっているのは動画教材です。 動画教材ならではのわかり易さや表現力による学習効果向上などが期待できます。

動画教材は、教室での授業や講義を据置きカメラでそのまま収録したものから、テレビ番組のように脚本・演出が施されたもの、クロマキー合成技術を取り入れたものなど様々です。

自社で内製する他、eラーニングシステムの提供会社が教材コンテンツを販売していたり、コンテンツ作成を請け負っている会社に依頼することも可能です。
eラーニング教材を内製化する動きも活発になってきていますが、教材の内製化はそのための人材の確保や工数増加といった負担を生み出すというデメリットもあります。組織内の課題や教育目的を熟知している内部スタッフが教材を作成、あるいは作成監修を行うことで、より教育効果の高い教材作成を目指せるというメリットもありますが、自社の状況に応じて使い分けていく必要があります。

③学習者への支援

eラーニングは受講に対する強制力が弱いため、学習者が自主的に学習する意欲が求められます。そのため、管理者側が積極的に受講を呼びかけたり、学習者の学びを支援するチューターやメンターを設置したりといったことが必要になってきます。
例えば、ゲーミフィケーションの要素を加えて学習者のモチベーション維持をサポートするサービスも増えてきているため、学習者の支援という観点でeラーニングサービスを選ぶことも重要です。

まとめ

eラーニングは、学習者が時間と場所を選ぶことなく、スキマ時間を使って学ぶことを可能とします。効果的に取り入れることで社員一人ひとりのスキルアップを図り、組織全体の成長を促進することができます。

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